敬語はビジネスの世界で特に重要な役割を果たします。
社会人にとって当たり前のスキルであるため、しっかりと使いこなせていない人は悪い意味で目立ってしまう存在となるでしょう。
敬語の使い方を正しく理解し、実践することで相手からの信頼性を高め、ビジネスでの成功をつかみ取りましょう。
こんな考えや悩みを持った方に是非読んでほしいです。
- 自分の敬語の使い方は合っているのだろうか
- こんな時どんな敬語を使うべきなんだろうか
この記事を読んでいただければ、上記の悩みの解決の手助けができると思います。
逆に、この記事を読まないと、敬語における失礼な対応をとってしまい、相手との信頼関係が一瞬にして崩れてしまうことも考えられます。一度崩れた信頼関係を回復するのは簡単なことではありません。心しておきましょう。
10年の社会人経験(=営業経験)を持つ私が、改めて敬語について考え、さらには実践していけるよう解説していきます。
敬語の重要性・役割
ビジネスにおいて敬語は欠かせない要素です。その重要性と役割を正確に理解することは、相手からの信頼を得るために不可欠です。
なぜ敬語が重要なのか?
信頼と尊敬の構築
敬語は他者への尊重と敬意を示す手段です。ビジネスパートナーや上司、同僚との信頼関係を築くために必要不可欠です。
プロフェッショナリズムの象徴
正しい敬語の使い方は、あなたがビジネスのプロであることを示す重要な要素です。相手に対して適切な敬意を払うことは、ビジネスのルールやマナーを遵守し、トラブルを起こさない人だと信用できる印象を与えます。
誤解や不快感の回避
間違った敬語の使い方は、誤解や不快感を引き起こす可能性があります。正しい敬語の知識は、コミュニケーションの効果的な道具となるため、しっかりと知識を蓄えておく必要があります。
敬語の役割
円滑なコミュニケーション
敬語はビジネスコミュニケーションにおいて円滑さを保つ役割を果たします。適切な言葉遣いは、意思疎通をスムーズにし、誤解を減らします。
社会的な規範への適合
敬語は社会的な規範に従うことを示します。ただし、敬語を上手に使い分けられる人が、取引先から高い評価をいただけるというものではありません。
敬語は出来て当たり前のスキルです。出来ないことで、マイナス評価をされてしまわないよう気を付けましょう
キャリアの発展
適切な敬語の使用は、キャリアの発展にも寄与します。上司や上級管理職との円滑な関係を築くことができるため、昇進や新たな機会を開く一助となります。
敬語の種類
敬語には様々な種類があり、それぞれ異なる文脈や相手に対する関係に応じて使われます。以下に、主要な敬語の種類を紹介します。
1. 尊敬語(そんけいご)
尊敬語は、上司や顧客、年配の人など、目上の人に対して使われます。相手を尊重し、敬意を表すことが目的です。ビジネスの場では、特に上司や取引先に対して尊敬語を使用することが一般的です。
例:
「言う」→「おっしゃる」
「来る」→「おいでになる」「いらっしゃる」
「着る」→「お召しになる」
「読む」→「お読みになる」
「話す」→「お話しになる」
「執筆する」→「ご執筆になる」
「話す」→「話される」
「帰る」→「帰られる」
「元気」→「お元気」
「美しい」→「お美しい」
「立派な」→「ご立派な」
2. 謙譲語(けんじょうご)
謙譲語は、尊敬語と同じく目上の人に使いますが、自分がへりくだることで相手に対して謙虚な態度を示します。自分や自分の所属する組織を謙虚に表現します。ビジネス文書やプレゼンテーションで頻繁に見られます。
例:
「行く」→「伺う」
「読む」→「拝読する」
「与える」→「差し上げる」
「送る」→「お送りする」
「利用する」→「ご利用いただく」
「悔やむ」→「お悔やみ申し上げる」
「自宅」→「拙宅」
「自分の会社」→「弊社」「当社」
3. 丁寧語(ていねいご)
丁寧語は、日常の会話やビジネスコミュニケーションで最も一般的に使用されます。目上の人に限らず、相手に対する敬意を示し、礼儀正しいコミュニケーションを実現します。語尾が「です」「ます」「ございます」に変化するのが基本です。
例:
「見る」→「見ます」
「思う」→「思います」
「忙しい」→「忙しいです」
実践的なアドバイス・間違いやすいポイントとは
ビジネスにおける敬語の使い方をマスターするためには、具体的なアドバイスと、避けるべき一般的な間違いを知ることが肝要です。以下に、敬語の実践的なアドバイスと注意点を紹介します。
1. 敬語の使い方の基本
敬語は、適切な場面やタイミングで相手に対して使うことが大切です。上司やクライアント、取引先とのコミュニケーションで特に重要ですが、適切なタイミングで使わないと逆に不自然に映ることがあります。
時として、敬語を使わず、砕けた話し方の方が親近感を感じ、関係構築できる場合もあります。
2. 敬語の多用
謙譲語を使う際、過度に謙虚になりすぎて自己主張ができないことがあります。適切な謙譲表現を選びつつも、自分や自分の組織の価値を適切に伝えることが大切です。
これは私も経験があり、敬語を使って柔らかく丁寧に伝えようとすればするほど、伝えたいことがキチンと伝わらないと上司から指導を受けたことがあります。
話し方に強弱をつけて、伝えるべきポイントには力強く自分の言葉で伝えることも必要なスキルですので、是非実践してみて下さい。
メールの文章でも同様です。敬語の多用により、意図が伝わりにくくなることがありますので注意してみて下さい。
3. 言葉遣いとトーン
敬語は言葉遣いだけでなく、声のトーンや態度でも表現されます。語尾が強かったり、声が小さかったり、声のトーンや態度でもしっかりと伝わるよう意識して取り組みましょう。
4. ビジネスメールでの敬語
ビジネスメールでは、冒頭や締めくくりに敬語を適切に使うことが印象を左右します。例えば、メールの冒頭での挨拶や感謝の表現は注意深く検討しましょう。
5. 二重敬語
敬語は、一つの単語に対して一つ使用すれば良いですが、ビジネスの場では、誤って二重敬語が使われていることが多々あります。下記は間違いやすい二重敬語の例をご紹介します。
・先生はおっしゃられました。
正しい例:先生はおっしゃいました。
NG理由:「おっしゃる」+「られる」で二重敬語になっています。すでに「おっしゃる」という尊敬語を使用しているため、「おっしゃいました」が適切です。
・社長様
正しい例:社長
NG理由:社長や部長へメール・手紙を送る場合、「○○社長様」「○○部長様」などとするケースが見られますが、役職名自体が敬称のため、「様」をつけると二重敬語になります。
例えば社長宛てに電報を送る場合の敬称は、「○○社長」もしくは「社長 ○○様」としましょう。
・各位様
正しい例:各位
「各位」という言葉が「みなさま」という意味を表すため、「様」をつけるのは間違った日本語です。「関係者各位」「お客様各位」などと使います。
・ご覧になられる。
正しい例:ご覧になる。
NG理由:「ご覧」と「なられる」で二重敬語になっています。
「商品をご覧になられますか?」ではなく、「商品をご覧になりますか?」が適切です。
6. 目上の人には失礼な敬語
会社の上司や取引先、恩師など、目上の人に使うと失礼にあたるフレーズもあります。何気なく使っているケースがありますのでご注意ください。
・お世話様です。
正しい例:お世話になっております。
NG理由:「お世話様です」という言葉は、自分に何かをしてくれた人に対して「ご苦労様」という意味合いで使います。
・しばらくぶりです。お久しぶりです。
正しい例:ご無沙汰しております。
NG理由:「お久しぶりです」は、友人や知人などへ向けて使われるのが一般的です。目上の人へは、「ご無沙汰しております」という言葉を使うのがベターです。
・大変参考になりました。
正しい例:大変勉強になりました。
NG理由:「参考になった」という言葉は、目上の人が目下の人に向けて使います。
例えば上司や先輩から仕事を教わってお礼を述べるときは、「参考」ではなく「勉強」という表現が適切です。
・社長がおられます。
正しい例:社長がいらっしゃいます。
NG理由:「おる」は謙譲語なので、自分よりも立場が上の社長に対して使うのは不適切です。この場合、尊敬語の「いらっしゃる」が適切です。
「おる」の使い方は、例えば「あなたは今日、何時まで会社にいますか」と尋ねられたときに「19時までおります」というように使います。
・ご苦労様です。
正しい例:お疲れ様です。
NG理由:「ご苦労様」は、上司や先生の目上の人が、部下や生徒などの目下の人をねぎらうときに使います。目上の人には、「お疲れ様」が正解です。
7.実践
敬語の使い方を学んだら、実際のビジネス状況で練習することが不可欠です。ロールプレイングや実際の会話で敬語のスキルを磨きましょう。
ビジネスにおける敬語の適切な使い方を習得するには、理論だけでなく実践が必要です。
まとめ
敬語はビジネス環境において極めて重要なスキルであり、正しく使いこなすことはビジネスのプロとしての信頼性を高め、成功につながる鍵となります。この記事では、敬語に関する基本を理解し、実践的なアドバイスを提供しました。
これらのアドバイスと注意点を念頭に置きながら、ビジネスコミュニケーションにおける敬語スキルを向上させることで、取引先や上司からの信頼性を高め、成功への道を切り拓くことができるでしょう。
その成功体験は、自信につながり、また次の成功体験につながることでしょう。
是非実践してみて下さい。
今回の記事は以上です。
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